初対面の犬への正しいあいさつについて
― リリー・チン「How to Greet a Dog」をもとに ―

いちばん大切な考え方
「人が近づく」のではなく、犬自身に「近づくかどうか」を選ばせる
正しいあいさつとは「人が触ること」ではなく「犬が安心できること」です。犬が「この人は安全」と判断できる時間と距離を与えることが最重要です。
正しいあいさつの手順(6ステップ)
①まず距離をとる
- •いきなり触らない
- •犬から1〜2m離れた位置で止まる
- •体は正面ではなく、少し横向き
※正面・真正面は「対決姿勢」に見えやすい
②視線と姿勢をやわらかく
- •じっと見つめない
- •顔は少し横、視線は外し気味
- •上から見下ろさない(少しかがむのはOK)
※見つめ合い=威嚇と受け取られることがある
③犬から来るのを待つ
- •名前を呼ばない
- •「おいで」と手招きしない
- •犬の反応を観察する(犬が自分から来るかどうか)
来てもよいサイン ✅
☑ 体がゆるんでいる
☑ 自分から匂いを嗅ぎに来る
やめるサイン ⚠️
☒ 体が固まる
☒ 後ずさりする
☒ 顔をそらす
→ NGサインが出たら そこで終了。触らずにそのまま距離を保つ
④手の出し方
- •下から・横から そっと
- •指を犬の鼻先に突き出さない
- •においを嗅ぐかどうかは犬に任せる
※頭の上からの手=捕まえられる恐怖
⑤触るならここから
- •最初は 胸・肩・あごの下
- •短く、軽く
- •頭・顔・耳には最初は触らない
※自分から体を寄せてくる・触ったあとも離れない → OKのサイン
やめるサイン ⚠️
☒ 身体を引く
☒ しっぽが止まる
☒ 頭をそらす
→ すぐ手を引く(それが正解)
⑥声と動きは静かに
- •落ち着いた低めの声
- •大きな声・高い声は出さない
やってはいけないあいさつ
- ✖正面から急に近づく
- ✖頭の上から手を出す
- ✖じっと見つめる
- ✖無理に触る・抱きつく
- ✖犬が嫌がっているのに続ける
覚えておく合言葉
「サインを見る・待つ・選ばせる」
触れなかったけど、犬が落ち着いていた
→ それは とても良いあいさつです
このイラストを初めて見たのは私がまだ自分の犬の行動に困り果てていて藁をもすがる思いで田中雅織先生のオンラインセミナーに初めて参加したときでした。イラストの①から⑥すべて「私のことだ…。」と思いました。
今は出張トレーニングで初めて犬に会う時や幼稚園に初めて登園する犬にはこれらのことを必ず守っています。外でお散歩中の犬に会った時は、犬のほうから近づいてきた時以外はすべてスルーです。過去の私なら「あ!犬だ!」と発見してから接近するまでずっと笑顔(にやけた)で凝視し声をかけ撫でたくて手を出していました。自分が犬の立場だったらとっても気味悪いし怖いと思います。
犬はもちろん可愛いです。私も無類の犬好きなので触れたくなる気持ちはよく分かります。ですが、犬にも感情があります。「かわいい!」「触れたい!」という自分の気持ちだけで接することは避け、犬に尊重・尊敬の気持ちを持って接することを心がけると犬からひとつ信頼を得られると思います。